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① ヒマラヤトレッキングの出発に向けた準備一覧
② ヒマラヤトレッキングの装備&持ち物
③ ヒマラヤトレッキングに求められる体力
ヒマラヤトレッキング基本編①:ヒマラヤトレッキングの魅力
ヒマラヤトレッキング基本編②:ヒマラヤトレッキング主要ルートの概要まとめ
<2022年7月現在の情報 変更が多いので最新情報については要問合せ>
・ トレッキングルートの確定<4か月前>
・ 国際線の手配<4か月前>
・ ガイド手配<4か月前>
・ カトマンズホテル手配<4か月前>
・ 必要な体力トレーニング開始<4か月前>
・ 最低2回(出来れば3回)のワクチン接種<2か月前>
・ 装備・持ち物の準備<2か月前>
・ 渡航準備<1か月前>
-ビザ取得、ワクチン接種証明取得、旅行保険の加入
ヒマラヤトレッキングに限らず、海外旅行の準備において、最も優先順位が高いのは国際線チケットの取得である。例えば、この記事を書いている2022年7月7日現在、日本~カトマンズの国際線の低価格なチケットは10月末まで埋まっており、10月までは20万円、11月頭であれば12万円という状況である(新型コロナの影響で便数が少なくなっているので平年よりかなり早い)。ワンダーズは募集型ツアーは基本的に実施しておらず、お客様の要望に応じてオーダーメイドのツアーを提案しているため、直前のご依頼についてはお断りせざるを得ない状況が多い。
ヒマラヤトレッキングにおけるプランニングは探検の始まりであり、観光ツアーのように規定のルートを選ぶだけではもったいない。自身の体力や日数に応じて、ディスカッションを通じて最高のプランを一緒に組み上げるのも一つの醍醐味である。そう考えると、出来れば出発の半年くらい前にはご相談いただけるのがベストだ。
プランが決まって国際線チケットの予約が完了すると、次に行って欲しいのはガイドの手配。はっきり言って、ガイドの質や相性は極めて重要で、旅行の楽しさを左右する。ぜひ、旅行会社に依頼し、ガイドとのオンライン面談を通じて、自身との相性はどうか確認することをオススメする。日本語ガイドの場合は言語能力にも大きな差があり、日本語ガイドといってもコミュニケーションに苦労するケースは少なくない。
早めにプランが決まるのであればホテルも手配してしまった方が良い。ピークシーズンであれば人気のホテルからどんどん埋まっていってしまう。
そして、早めにスタートして頂きたいのがトレーニングだ。ヒマラヤを歩く際、重要なことは「踏破できるかどうか」ではなく、「余裕をもって景色を楽しめるかどうか」である。毎日訪れる素晴らしい発見と感動を最大限享受するためにも、是非、体力には余裕をもってヒマラヤにお越し頂きたい。
トレッキングに求められる体力レベルやトレーニングについては関連記事からチェックしてほしい。
続いて、早めに実施して頂きたいのが新型コロナウイルスのワクチン接種である。ワクチンの効果や副作用による不安から接種を避けている方もいらっしゃるのは理解しているが、ワクチン接種が確実に効果を発揮するのが海外渡航だ。2022年7月現在、ネパールでは、2回目のワクチンの接種証明がない場合は出国72時間前以内のPCR検査と英文の陰性証明が必要で、その検査と証明書発行には2~3万円程度の費用がかかる。また、3回目まで完了していれば帰国時の自宅待機(3日間~7日間)も免れる。
旅行に向けた装備品や持ち物についてはリストを参考に2か月前には準備を開始することが望ましい。というのも、各装備の使い勝手などは登山で使用して確認したり、機械類は使い方を十分に習得しなければならない。特に登山靴などは十分に履きならす必要がある。また、パスポートの期限切れなども念のためチェックしておくこと。
出発に向けて一か月を切ったら、最後の渡航準備に取り掛かる。ネパールビザの取得はワンダーズでも取得代行を行うことが出来るが、簡単な割に手数料4,400円(税込)もかかってしまう。ビザ取得については下記の記事でまとめているので、ご自身で取得することをオススメする。それでも面倒という方はご依頼頂きたい。
ワクチンの接種証明は、マイナンバーカードを持っていると、スマートフォンのアプリで即時取得可能だが、持っていない場合は、役所に証明書の発行を依頼しなければならない。通常、2週間の期間がかかると言われているので、早めに依頼すること。ちなみに、出発が差し迫っている場合、窓口で30分程度で発行してもらうことが出来る場合が多いが、保証は出来ないのであらかじめ準備することをおすすめする。
保険については外交員の資格がないので詳細には触れないが、トレッキング(6,000m以内で登攀具を用いない)の場合、10日間程度のプランで約5,000円、20日間程度のプランで約8、000円程度の費用がかかる。ツアー参加では、治療と救援が条件となっている他、携行品と飛行機遅延の補償が付いている方が望ましい。特に、エベレスト街道方面ではプロペラ機のフライトキャンセルが非常に多いため、保険を適用する機会が少なくない。クレジットカードで十分な海外保険が付帯している場合は、飛行機遅延のためだけに保険加入するのはもったいないが、クレジットカードを持っていない場合は必ず遅延特約に加入することをオススメする。あとは、長い行程の中で携帯電話を落下させてしまうこともある。最近はスマートフォンの端末が非常に高価なことを考えると、スマートフォンが携行品として補償対象になっているかどうかも必ず確認すること(電子機器が対象外の保険もある)。6,000m以上の登山を希望される方は、直接お問い合わせ頂きたい。
詳細は別な記事でまとめるため、ここではトレッキングの場合の大まかな持ち物や考え方について説明する。
まず、ヒマラヤトレッキングの持ち物は、一人15キロ程度までポーターさんが持ってくれるため、国内の登山のように切り詰める必要があまりない。山行が長期に渡るため、とにかく「快適性」を重視して準備をした方が良い。トレッキング中は、貴重品、防寒着、水、レインウェア、カメラ程度の荷物で歩けるので、ザックのサイズは30Lもあれば十分だが、長期山行なので腰パッドのしっかりしたものが望ましい。
また、ポーターさんに預ける際は、運びやすさを考えて、現地で貸与される70L程度のダッフルバッグに移し替えて預けることになる。そのため、日本からの移動では、スーツケースなどを準備をした方が楽である。
荷物は「貴重品」「衣類」「登山装備」「生活用品」に分けて考える。
<貴重品>
パスポート、クレジットカード、現金、スマートフォン、ワクチン接種証明、(Eチケット)、(旅行保険証券)。これらがないと出国出来ないので、絶対に忘れないようミニバッグなどにまとめておく。
<衣類>
登る標高にもよるが、夏山の衣類~厳冬期の衣類が必要となる。そして、ポーターさんに荷物を預けるので遠慮なく、最大限の対策をすることをおすすめする。
トレッキング中の服装としては、スタート地点では半袖Tシャツ(ルクラは長袖Tシャツ)、晴れている日の昼間は5,000mを越えても薄手のフリースで十分。朝夕は肌寒いので、身体が温まるまでは、2,500m以上は薄手のフリース、4,000m以上は化繊ダウンや厚手のフリース、5,000m以上は上記の防寒着を2枚重ねたり、厚手のフリースの上にハードシェルを着たり、厚手のダウンジャケットを羽織る。寒いのが苦手な方は、上記に加えて、保温性のあるタイツなどで調整頂くと良いだろう(ヒートテックなどレーヨンが含まれる生地はNG)。
特に寒いのは、4,500m以上のロッジ内や日の出前に展望地へ向かう時。この時は、中間着に加えて、厚手のダウンジャケットが必要となる。ダウンパンツもあった方がはるかに快適に過ごせる。ロッジ内ではパジャマとしてユニクロのヒートテックなども重宝する(ヒートテックのレーヨンは汗冷えの原因になるので歩くときは着ないこと)。
直射日光が非常に強いので、帽子とサングラスは必須。吊り橋の上などは風が強いため、帽子には飛ばされないようクリップを付けておいた方が良い。
洗濯は可能。ロッジには水場と大きなタライがあるので、それを借りて洗濯をする。物干し場もあるが洗濯ばさみの数に限りがあるので、5個くらい持っていくと良い。天候が悪かったり気温が低いと洗濯物が乾きづらいため、絞った後に大判の速乾タオルで巻いてさらに絞ることで乾きが早くなる。あとは、寝るときにシュラフの中に入れて寝れば、朝には乾いている。早く乾くことが大切なので、持ってくる下着類などは、全てメリノウールかポリエステルのような速乾素材のものにすること。同じものを2~3日着ることもあるので、防臭性能のあるメリノウールは特におすすめ。
<登山装備>
トレッキングの場合、靴は防水性とクッション性があり軽量な軽登山靴がベスト。岩稜帯はほとんどなく土や石畳を歩くことが多いので、重くて底の固い重登山靴はあまり適さない。慣れていればローカットの靴やトレイルランニングの靴でも問題はないが、4,000m以上では雪が降ることがあるので防水性が求められるのと、長期山行ではクッション性がないと疲労が蓄積してしまうので靴底の薄いものはおすすめしない。
長期山行なので、ストックは身体の負担を軽減するために強く推奨したい。筋力のサポート、バランス保持、下山時の負担軽減という役割を考えても、ダブルストックはシングルストックよりも有利なので、出発前にダブルストックに慣れておいた方が良い。
最後にチェーンスパイクか軽アイゼンも念のため用意すること。5、000m以上の峠以外、トレッキングルートには基本的に雪がないのだが、2019年などは10年ぶりの大雪シーズンで、チェーンスパイクがないと不安なシーンもあった。
<生活用品とロッジでの過ごし方>
ロッジは消灯するところもあるのでヘッドライトは必須。空気が薄く素晴らしい星空が見られるので、是非、夜には星空観察に出かけたい。
基本的にはツインルームの個室でベッドがあるが、布団は薄手のブランケットのみなので、ベッドの上で寝袋を使用して寝ることになる。5,000m程度のトレッキングの場合、寝袋は-20℃対応以上のものがおすすめ。隣の部屋や上階の歩く音がうるさいことも多いので、寝るときの耳栓は必須、2名同室の場合はアイマスクもあった方が良い。
充電は有料で、およそスマートフォンで500円、モバイルバッテリーで800円程度の費用がかかる。トレッキング日数が15日程度となるとそこそこの費用になるので、一度にたくさん充電できるように30000mAh 程度の大きいモバイルバッテリーを一つは用意したい。お持ちの方はソーラーパネルを利用するのも良いが、わざわざトレッキングツアーのためだけに購入するのは費用対効果が悪い。
ホットシャワーは500円程度で
サンダルはとても重要。ロッジ内で登山靴は休まらないし、シャワーを浴びる際はサンダルを履きながら浴びることになる。また、ちょっとした買い物や散歩の際もサンダルで歩くことになる。サンダルの条件としては、布や紐がないこと(シャワーの後に乾かずカビる)、靴下のまま履けること(ビーチサンダルNG)、出来れば底がしっかりしている(散歩の時に痛い)。底は薄いがダイソーで300円で売っているもので十分。
その他、医薬品はしっかりと準備して頂きたい。頭痛薬、胃腸薬、風邪薬、下痢止めなどは必ず持参すること。高山病薬のダイアモクスは非常に有用で効果が大きいので、普段のお薬との飲み合わせに問題がなければ使用をおすすめする。日本では処方箋が必要で入手に5,000円程度の費用がかかるが、現地では1つ10円で購入できる。
最後に食料について、ヒマラヤのトレッキングでは基本的にロッジのダイニングで好きなものをオーダーして食べるスタイル。どこのロッジでもある程度同じようなメニューが並んでいる。
・パン系(トースト、パンケーキ、サンドイッチ、ハンバーガー)
・ごはん系(ダルバート、カレー、チャーハン)
・麺系(ラーメン、うどん、やきそば、スパゲッティー、マカロニ)
・肉系(チキンステーキ、ビーフステーキ)
・その他、スープ系やモモ(ネパール餃子)、春巻きなど
※ランタン谷は宗教と輸送環境から肉が一切ないので注意
メニューは同じだが、味はロッジによって大きく異なっており、同じチャーハンでも味がしないところと、しょっぱ過ぎるところもある。そんなわけで、お好みの調味料や食料を必ず持参して頂きたい。
<おすすめ>
ごはんのお供系:ごはんですよ、ふりかけ、なめ茸
調味料系:和風だし、しょうゆ、中華だし、七味とうがらし
ドライフード:尾西の炊き込みご飯系、カップヌードル、フリーズドライの親子丼
スープ系:みそ汁、豚汁、チゲスープ
ただし、ロッジは宿泊料を抑えて、食事で利益を取るスタイルなので、ダイニングでも必ず何かをオーダーする必要がある。食事を外で食べる場合は、食事+宿泊料よりも高い金額を請求されることもあるので注意しよう。
登山の難易度は技術的難度と体力的難度を分けて考えるが、ヒマラヤトレッキングの技術的難度は、街道歩きなので超初心者向けといって良い。本記事では体力難度について日本の登山と比較しながらお伝えする。
<日本の山との違い>
・荷物はポーターさんが持ってくれるので、荷物は非常に少なく済む。プライベートツアーでは、レインウェア、防寒着、水などもガイドさんに持ってもらえば良いのでほぼ空身となる(1日300円くらいチップを渡してあげよう)。
・日本の山では1日で往復することが多いが、ヒマラヤでは一日は片道のみ。同じ1,000mの標高を登るにしても、下りがない分ヒマラヤの方が楽。
・高山病リスクがあるので、日本のように汗をかいて息を切らしながら歩くことはNG。非常にゆっくりと歩くので、少し物足りなく感じるくらいでちょうど良い。
・主要ルートであれば30分に一度くらいは村があり、ティーハウスで休憩が出来る。体力に合わせて自由に行程をカスタマイズすることが出来る。
・最悪、疲れたら引き馬をチャーターすることも出来るので、ほとんど歩けない方でも問題ない。
<日本の山と比べてみよう>
例えば、エベレスト街道でエベレストが見たいと考えた時、ルクラからナムチェバザールまでは移動距離が16Kmで獲得標高(アップダウンがある中ですべての登りを合計した高さ)は2、000m程度となる。これを通常行程では2日間かけて登るため、一日あたりの獲得標高は1,000m程度となる。
ちなみに、日帰りで往復する方も多い富士山の吉田口ルートは、距離が16Kmで獲得標高が1,660m。同じく日帰りが一般的な神奈川県にある丹沢エリアの塔ノ岳大倉ルート(バカ尾根)は13.4Kmで獲得標高は1,300m程度なので、この2つのルートと比較するとエベレスト街道の方が難易度が低いことが分かる。
さらに、同ルートを3日間に分けると一日あたりの累積標高は670m程度となる。初心者向けの筑波山でさえ男山と女山を両方登った時の累積標高は600m程度、高尾山でさえ累積標高は450m程度ということを考えると、初心者でも問題なく歩けるルートということが分かる。
インターネットで「ヤマップ “比較したい山の名前”」と検索をすると獲得標高と移動距離のデータ見られるので、そちらを参考に比較すると求められる体力レベルがイメージできるので試して頂きたい。
ヒマラヤトレッキング基本編①:ヒマラヤトレッキングの魅力
ヒマラヤトレッキング基本編②:ヒマラヤトレッキング主要ルートの概要まとめ