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ネパールの文化・歴史 ナラヤンヒティ王宮事件

ネパールの文化・歴史 ナラヤンヒティ王宮事件

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2001年に起きた国王一家銃殺事件

2001年6月1日、ビレンドラ国王一家5人を含む王族10人が死亡する事件が、今は博物館になっている旧ナラヤンヒティ王宮内で起きた。毎月ネパール歴の第3金曜日に王族が集まる定例の晩餐会で、長男の皇太子ディペンドラが銃を発砲して国王夫妻と長女、次男、国王の末弟、2人の姉を含む9人を殺害。皇太子は現場の外にある池の近くで、自ら頭部に銃弾を撃ち込んで倒れているのが発見された。その後皇太子は重体のまま新国王になったが、2日後に息を引き取っている。ビレンドラ国王とそのふたりの弟のうち、その日ポカラにいたため唯一生き残ったギャネンドラ王子が、2008年の王政廃止までのネパール最後の国王となった。

 しかし、公式発表されたこの「ディペンドラ皇太子犯行後自殺説」には国民の多くが疑問を持っている。亡くなった10人の遺体は検死を受けることもなく火葬され、自殺した皇太子は右利きだったのに致命傷になった弾は左のこめかみから入っていたなど、不審な点が残されている。また泥酔していたとされる皇太子の体からはアルコール分は検出されなかったなどの証言や報道もあらわれ、多くの国民の疑惑は晩再開を欠席したギャネンドラ新国王に向けられた。国王のひとり息子パラスは現場にいたにもかかわらず無傷だったことも謎を深めている。インドやアメリカの諜報機関による陰謀説もささやかれているが、事件の真相は闇の中に閉ざされたままだ。

事件のあったナラヤンヒティ王宮 現在は博物館となっている。