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ヒマラヤトレッキングルート解説② アンナプルナ自然保護区

ヒマラヤトレッキングルート解説② アンナプルナ自然保護区

目次

①アンナプルナエリアMAP
②アンナプルナエリアの特徴
③アンナプルナエリアのルート

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アンナプルナエリアMAP

ンナプルナエリアの特徴

実は、エベレスト街道よりも訪れる日本人が多いアンナプルナ自然保護区。ネパール第二の都市であり、湖が美しいリゾート地ポカラを起点とし、アクセスが良く、ハイキングレベルのルートも多いことでより気軽にヒマラヤの景色が楽しめる。そんなアンナプルナ自然保護区の3つの特徴を紹介します。

① アクセスが良い
まず、アンナプルナ山群はネパール第二の都市ポカラが起点となりますが、ポカラはカトマンズ同様にタライ平原にあるため、山岳地域にあるエベレスト街道のルクラと比較してフライトが安定しています。万が一、フライトがキャンセルになった場合でも、ツーリストバスで6〜8時間で移動が可能ですので旅程キャンセルしなければならないリスクが低く、フライト予備日も必要ありません。
そして、ポカラのすぐ近くにはサランコットの丘という絶景スポットもあります。ここからはフェワ湖に映るアンナプルナ山群やヒマラヤのマッターホルンとも呼ばれるマチャプチャレ(フィッシュテイル)が見らます。半日程度のショートトレッキングでも行けますし、車で訪れることも出来ます。また、サランコットには絶景ホテルも数多くありますので、ほとんど歩かずにヒマラヤの朝焼けや夕焼けを楽しむことも出来ます。
さらに、アンナプルナ山群は、近年は道路の整備が急速に進んでおり、数年前まではポカラから1週間ほどのトレッキングプランになっていたビューポイントも1泊2日などで楽しめるようになりました。
そんな、ヒマラヤへのアクセスの気軽さは、長期の休みの取れない方にとって大きなメリットとなります。

② 標高が低い
アンナプルナ外周ルートを除くアンナプルナ山群のルートの多くは、1500m前後の標高からスタートし、各ルートの最高標高地点も、プーンヒル(3,201m)、ムルダイ(3,637m)、コプラ(3,669m)、アンナプルナBC(4,130m)、マウディヒマールアッパービューポイント(4,450m)等々、エベレスト街道のカラパタール(5,550m)、チュクンリ(5,550m)、ゴーキョリ(5,360m)やランタン谷のキャンジンリ(4,400m)、ツェルゴリ(4,984m)、ランシサカルカ(4,285m)と比較して低めになっています。
標高が低いメリットとしては、高山病リスクが低いこと。特に日本で2,500m程度の小屋でも高山病になってしまう方には大きなメリットといえます。また、高山病対策のための順応日を設定する必要がないため、旅行日数を抑えることも出来ます。さらに、比較的気温が暖かいので寒い場所が苦手な方や12〜2月にトレッキングをされる方にもおすすめです。
逆にデメリットとしては、基本的に森林限界(4,000m)の下を歩きますので、ビューポイントは丘になっており眺望が広がるものの、そこに向かう道中は樹林帯を歩くことが多いです。また、高山病対策のための行動制限(睡眠標高は1日あたり500m以上上げない)や高度順応の休息日がないため、体力的にはエベレスト街道と比較して少しハードになりがちです(もちろん、日程を細かく区切るなどのカスタマイズは可能です)。
ちなみに、アンナプルナ外周ルートにはトロンパス(5,416m)という峠越えがあるので、この限りではありません。

③ 温泉がある
いわずもがな、「山と温泉」は最強の組み合わせですね。アンナプルナ山群にはタトパニ(=熱いお湯という意味)やジヌという村に温泉地があります。せっかくの機会なので、近くを歩く際は立ち寄ってみましょう。水着を忘れずに!

ンナプルナエリアのルート

<概要>
最も有名なルートは、アンナプルナ山群に囲まれたアンナプルナベースキャンプ(ABC)を目指すアンナプルナ内院(アンナプルナサンクチュアリ)、ポカラから1泊2日(もしくは2泊3日)でアンナプルナ山群とダウラギリの眺望が楽しめるプーンヒルルート。アンナプルナ山群の北を巡るアンナプルナ外周(アンナプルナサーキット)、アンナプルナ内院ルートの谷の東側の尾根を歩くマウディヒマールルート、アンナプルナ山群の西を歩くジョムソン街道、その他、山群の南西にあるビュースポットとしてムルダイ、コプラ(コプラダンダ)、ヒドゥンレイクなどがあります。

<アンナプルナ内院>
アンナプルナ内院ルート(ABCルート)のゴール地点であるアンナプルナベースキャンプでは、7~8,000m峰に囲まれた360度の絶景が楽しめます。そしてアンナプルナⅠ峰の南壁はなんと3,500m。富士山に近い高さの「壁」です。「超巨大な涸沢カール」と言えばイメージが持ちやすいでしょうか。ルートとしては、樹林帯の狭い谷を歩くため、眺望が開けるのはマチャプチャレBC(3,700m)周辺ということで、ここまでは我慢の行程となります。

<プーンヒル>
プーンヒルは、道路によってかなりお手軽になったルートの一つ。ヒレから1日でゴレパニへ上がり、翌朝プーンヒルの絶景を楽しんで下山することが出来ます。体力に自信のない方はウレリで1泊し、2泊3日の行程にすると良いでしょう。さらに1日足を伸ばしてタトパニ温泉に入ってからポカラに戻るのもおすすめです。

<マウディヒマール>
マウディヒマールルートはABCルートの東側の尾根を歩きます、健脚者であればポカラを出発した初日に稜線に出ることが出来、その後は素晴らしい稜線歩きが続き、マチャプチャレやヒウンチュリが間近に見られます。しかもポカラ発着で3〜4日で踏破可能なのでとてもオススメです。ただし、まだ知名度がそこまで高くないため、綺麗なロッジが多くありません。アンナプルナ内院ルートとセットで歩くことも出来ます。モディコーラ(川)に沿ってほぼ同じラインを歩くことにはなりますが、見られる景色は全く違うので問題ありません。

<アンナプルナ外周>
アンナプルナ外周はアンナプルナの西側から北側を巡るルート。雨を降らすモンスーンがヒマラヤを越えられず、アンナプルナ北側は乾燥地帯となっていますので、スタート地点とゴール地点では風景も建物も全く異なる非常に変化に富んだルートとなっています。カトマンズから車で約6時間かけてベシシャハールへ向かい、さらにジープに乗り換えて3〜4時間でトレッキングのスタート地点に向かいます。マナンまで車が伸びていますが、スタート地点のおすすめはチャーメの少し奥にあるタレク。マナスル方面からアンナプルナⅡ・Ⅳ、ガンガプルナ、チュル山群、ティリチョなど、様々な山の景色が楽しめる上、谷が広いため眺望が開けた場所も多いです。モンスーンの影響を受けにくいため、雨期にしか休みが取れないという方にもオススメ。
ほんの数年前まで、アンナプルナ外周は長い日数が必要なルートでしたが、現在は道路の伸長により、日本発着で14〜15日程度で踏破可能になりました。唯一、非常に残念な点としては、道路ともに電線が伸び、多くのルートの脇に電柱が続いていることですね。写真を撮る際、気をつけないとすぐに電線が映り込んでしまいます。とても主観的な意見ですが、私はこのルートが世界で一番好きです。

他にも紹介しきれないスポットやカスタムルートが多数あるのがアンナプルナ山群。お客様の旅行日数や体力をお伺いしながら、一緒に冒険プランを作り込んでいくのも楽しいですね。

<アンナプルナエリアの主なプラン>
*料金は2名のプライベートツアーで国際線を含んだ概算

プーンヒル(7〜10日 / 初級 / 350,000円)
アンナプルナBC(14-16日 / 中上級 / 425,000円)
プーンヒル&ABC(16-18日 / 中上級 / 455,000円)
マウディヒマール(11-13日 / 中級 / 375,000円)
アンナプルナ外周(15-17日 / 上級 / 430,000円)
アンナプルナBC+外周(22-24日 / 上級 / 540,000円)

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