ヒマラヤ・ネパールのトレッキングツアーはワンダーズ へ

朝6時に起きて準備をする。今日は初めてのアイスフォール体験の日。

<そもそもアイスフォールとは?>
エベレスト・ローツェ・ヌプツェの3山に降った雪がその間に堆積し氷河となって流れる。傾斜が急になるところでその氷河が崩れ始め、巨大な畝になったところがウエスタンクーム 。それがさらに崩れたところをアイスフォールと呼びます。

大きな画像だとサイズ感が全く伝わらないのですが、中を歩いているとルートがどこにどう繋がっているか分からず、ただただフィックスロープに従って歩くといった感じでした。あと、本やテレビで見ていると怖いイメージがあると思いますが、個人的には大人のアスレチックといった感じでとても楽しかったです。1m20cmくらいの割れ目はハシゴではなくジャンプです。

アイスフォールの様子

今日は、本番のサミットプッシュに向けてアイスフォールの様子を知ろうというのが趣旨の訓練登行でベースキャンプとキャンプ1の間くらいまで歩きます。サムとソラジ、ビカス、キャロラインと自分の5名が参加し、ミンマとヴィヴェックがシェルパとしてサポートに(トップの画像の左から順番にビカス、キャロライン、岳史、ソラジ、ミンマ、サムです)。他のメンバーは風邪やら高山病やらで休息していました。

基本的にゆっくり歩くので筋力的にはキツくありませんが、やはり呼吸が苦しいのと軽く頭痛がありました。また、ほぼ垂直の氷壁をピッケルなしでユマールのみで登るのには少しコツが必要で、①アイゼンを蹴り込んで体を上げ、②ユマールを上げて体を保持するのを繰り返すという感じ。
素人の僕がやってみても全く難しくはなくすぐ慣れるのですが、慣れるまでは腕で体を持ち上げようとしてしまい呼吸がとても苦しかったです。

半分くらいまでアイスフォールを登りましたが、残念ながらハシゴ渡りはなし。本番前に一度経験しておきたかったので少し残念です。それでも、1mくらいのクレバス(氷の割れ目)を跨ぐだけでもなかなかスリリングでした。一応GoProで映像は撮れたのですが、あまり伝わらないかも・・・。サミットプッシュ編で動画がたくさん残っていますので、そちらをお楽しみに汗。

https://www.facebook.com/takeshi.nakayama.940/videos/vb.100004536998925/940610172766874/?type=2&video_source=user_video_tab

ちなみに、このベースキャンプに戻ってからこの動画をフェイスブックにアップしたところ、インターネットのSIMカード5,000円分が一撃で終了となりました涙。

少し頭痛があったので午後はロキソニンを飲んで少し眠りました。それからメスナーのナンガパルバット単独行を読みました。メスナーさんの恋愛、心理的な内容が多く、そこまでの極限状況を経験したことのない僕には共感が難しいところが多かったのですが、極限状態をどう乗り越えたのか。「孤独」を「自由」や「解放感」に置き換え力に変える。といったところは面白かったですね。(これまで小説などはほとんど読んだことがなく、自己発見的なものを除く具体的なビジネス書を読み続けていたので感性が鈍いのかもしれません。。。)あと、ナンガ・パルバットには行くまい(行けまい)と心に深く刻まれました笑。 

夕方からはいつも通りモノポリー。薬のおかげなのか大量に水分を摂ったせいか、頭痛はほとんどなくなっていました。ダイアモックス は呼吸中枢に働きかけて呼吸時の換気量を増やすという働きなので、頭痛を抑えたい時はバファリン、イブ、ロキソニンなどの解熱鎮痛剤(痛み止め)を飲んだ方が早いです。

夕食を待っていると、ダイニングのテントの周りがバタバタと騒がしくなりました。どうやらシェルパが1名アイスフォールに落ちて骨折したらしい。本番も油断せずに気をつけて通過しよう。

<高山病の薬ダイアモックス のススメ>


インターネットで色々とダイアモックス について書かれている記事がありますが、どれが正しいのやら、、、ということもあったので、メンバーみんなで議論したり検証をした結果から、僕が思うことをまとめてみます。

まず、飲まなくて良いという意見があります。「シェルパが飲まなくて良いと言ったので飲んでいない・・・頭が痛い、、、。」 そりゃシェルパさん自身は必要ないでしょうよ。
高山病は2,700m以上で発症する症状で、長時間低酸素環境にいると体が低酸素に適応するまで頭痛や食欲不振などが続きます。個人的には3,000mくらいの症状はなんとなく、、、? 程度なので気にする必要がありませんが3,400m以上に長時間いると頭痛や食欲不振になる可能性が高いので、飲んだ方が良いと思います。

それから、副作用があるので極力飲まない方が良いという意見。個人的にはこの意見にも反対。“極力”っていつ判断しますか?痛くなってからですか?ダイアモックス は高山病を治す薬ではなく、呼吸中枢を刺激して高山病になりづらくする予防薬です。痛くなってからでは遅いのです。副作用もあるので、順応できていれば有害無益という意見もありますが、そもそも順応できているかどうかの判断が難しいですよね。元気な人が1〜2時間部屋で休憩をしたら、頭が痛い。食欲がない。夕食食べれない・・・。となるのが高山病です。 シェルパだって普段の生活高度より標高を上げれば高山病になるのですから、上記のように3,400m以上に長時間滞在するケースであれば、“極力飲む”ようにしましょう。

続いて、高度を上げない日は飲まなくて良い。もしくは下山時は飲まなくて良いという意見。これは検証した結果なのですが、5,100mのベースキャンプでダイアモックス を止める人と飲み続ける人で血中酸素濃度を測定したところ、止めた人の酸素濃度が下がっていって、1日半後には止めた3人中2名は頭痛を訴えるようになりました。血中酸素濃度にもよりますが確実に大丈夫といえる高度に下りるまで飲み続けた方が良いのだと思います。

そしてなによりも、“害”と“益”の大きさが全然違います(他の薬との併用や病気のケースを除く)。害(副作用)は指先がちりちり痺れを感じるとか尿の頻度が上がる程度。そして、益(効用)は動けないほどの頭痛や食欲不振、強い吐き気などの高山病予防に効果的で、飲んでいる人と飲んでいない人では明確に血中酸素濃度に違いが見られるほどです。

結論としては、ダイアモックス は3,500m以上に登る日の朝から飲み始めて、血中濃度によっては最終宿泊地から500mくらい(5,000mに宿泊したのであれば4,500m)高度を下げるまで朝夕で半錠づつ、頭痛などの症状がある時は1錠を飲み続けた方が良いと思います。

ダイアモックス は高山病の万能薬ではなく呼吸中枢に刺激を与えて機能を高める薬です。高度順化の行程、呼吸法、水分補給が大切という意見もその通りだと思います。
ですが、その全てを頑張っても高山病になる時はなります。大切な挑戦を不意にしないため、絶景を見るため、登頂の可能性を少しでも高めるためにできる限りのことをしようと考えると、やはりダイアモックス の服用は絶対的におすすめすべきだと思います。
なんとか長い休暇を取り、決して安くないお金を払い、10日近く山を歩いてようやくたどり着いた5,100mのゴラクシェプ。目の前に見えるカラパタール(5,645m)を前にチャレンジすることもできずに涙ながらに下山するトレッカーを数多く見た僕の意見でした! 

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