エベレスト登頂記 特集記事-SPECIAL-
2018.03.16
K関という男は高校時代は同じ陸上部のキャプテンをしていて、陸上競技でもっともキツイと言われる400m、そして400mH、さらに10種競技、終いには4004リレーと1004リレーに出場しており、その全ての種目で県3位以内になっていた超人。
3年間一緒に電車通学をした盟友だ。(ちなみに私の初めての結婚式スピーチもK関の結婚式だった)
私の所属していた陸上部は、県内でも「キツイ」と有名な部で、メニュー表をみただけでも吐き気がするようなことも珍しくなかったが、K関は練習でもまったく妥協をしなかった。1本目から全力で走り抜く。けっしてスマートに早いという感じではなく、ガムシャラにパワフルな走りだった。
こいつのせいで自分も含めて他の部員も手が抜けなくなってしまう。
あと、声がデカかった。苦しくて苦しくてしかたなくて、少しスピードを抑えたい時、
馬鹿デカい声で、
「ガンバ!!おら、ガンバだ!!!」って言われるとスピードを落とせなくなる。
意識はしていないんだろうけど、そういう引っ張り方をするやつだった。
うちの学校は有名選手を引っ張ってくるような学校ではなかったが、そんな練習を続けていくのでみんな強くなっていった。
最近、トレーニングをしていて吐きそうなほど苦しい時、誰が見ているわけでも、叱られるわけでも、迷惑がかかるわけでもないのに、なぜか手を抜くことができない自分がいる。
今でも頭の片隅でK関が叫んでるんだよね。「おら、頑張れよ!!!!」って。これは作り話でも大げさな話でもなくてリアルな話。
思い返すと、コンサルをしているときもそうだった。
極端な話、コンサルティングという仕事は成果の出し方さえ心得ていればいくらでも生産性を高められるし手も抜ける。より少ない工数で成果を出せるわけだからクライアントにとってもそれが正義だ。
それにもかかわらず、生産性という意味では悪しき習慣だと感じながらも、
常に「そこまでしなくても、、、」というレベルを目指してガムシャラに頑張っていた。
労働采配性なんだからどれだけ働いても自由だ。残業代がかかるわけでもないから文句を言われる筋合いもない。
「俺は俺がやりたいように、自分が誇れる仕事をする。」と言いながら、、、
「もっと前に、あと一歩アウトプットの品質を高めよう、、、」という呪縛にとらわれていたんだろう。
その甲斐があってかどうかは分からないけど、対クライアントでも対社内でもそこそこの成果は出せたと思うし、なによりも「追われる」のではなく「追う」という働き方でいられたことでものすごく成長できたし、多くの達成感が得られたし、多くの機会にも恵まれて、なによりも仕事が楽しかった。
それもこれも、思い返すと、、、
K関。貴様のせいだ。あらためて、ありがとう。
これからもよろしく!
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