エベレスト登頂記 特集記事-SPECIAL-
2018.06.01
昨日のうちに装備のチェックと購入を済ませたので、今日はまったり過ごす日。
朝食はバイキング形式で、トースト、ソーセージ、目玉焼き、インドカレー、ロティ、パンケーキ、ヨーグルト、シリアル、フルーツ、コーヒー、牛乳、マンゴージュースが並ぶ。これで全部。これがずっと続く。まぁ、フジホテル(カトマンズにある日本人がよく泊まるホテル)よりは豪華かなと思った。
午前中は奈苗とFaceTimeでエベレスト登頂後に予定している旅行の打合せ。スケジュールから飛行機やホテルの手配、各地でのツアーの手配などなどやることは盛りだくさん。インターネットが弱いネパールでは一苦労。
午前中はサワヤンブナードに行く。エージェントのルパックが調整をしてくれた。「お水も完備してるから快適に過ごしてね」ととても爽やかな笑顔で送り出してくれた。
運転手さんから渡されたお水はフタが開いていて中身が少し減っていた。
お前、絶対一口飲んだだろう、、、?
タメルからモンキーテンプルまでは20分ほど。途上国ならではの「ピッピー、プップー」とうるさく、渋滞した道を進む。
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サワヤンブナード(モンキーテンプル)はカトマンズにあるネパール仏教寺院。ネパール最古の仏教寺院ともいわれ「カトマンズの渓谷」の一部としてユネスコ世界遺産に登録されている。
長い階段を登ると、展望台からカトマンズの街が一望できるのと、中央には大きな仏塔がある。他にも仏像が展示されていたり土産店があったり。またネパールっぽい音楽が流れていて良い雰囲気。全然期待していなかったせいか、とても楽しめた。
ちなみに下の画像に写っている友達が水泥棒のビドゥールさん♪
サワヤンブナード(モンキーテンプル)の様子1
サワヤンブナード(モンキーテンプル)の様子2
サワヤンブナード(モンキーテンプル)の様子3
1時間くらいでタメルに戻り、前回行って最高にピザが美味かった店に入る。気温は25度以上で日差しも強い中、外で美味いピザにエベレストビール。堪らない。将来はこういうことができる庭がバルコニーがある家に住みたいな。
ホテルに戻り一休みするとルパックがダッフルを持って来てくれた。実は装備の調整でさらに巨大なシュラフを買うことになったので荷物が入らなくなったのだ。ちなみに、大抵のエクスペディションではダッフルバッグは無料でもらえるので日本で2万円以上するバッグを2つ購入しましたが、これは必要ありませんでした。
そして今回のエクスペディションの最終金30%を支払う場面。
ここでも個人手配による不安が頭をよぎる。
この最終金を支払ったらもう本当にこちらは用済み。
もし詐欺だったら、、、
急に連絡がつかなくなったら、、、
そんな時、大量の札束を数えていたルパックが神の一言。
「ヘイ、タケシ!200ドル多いぞ!もう一回確認してくれ! ってかネパール人は普通こんなこと言わないから気をつけろよ!ハハハ!」
間違うなよって話なんだけど、誠実な対応に詐欺などの一切の不安が消し飛んだ。何かあったらなんでも相談してくれよ!と言ってくれる彼はとても頼りになる。
早速ダッフルバッグに荷物を詰め直す。155Lと90Lのダッフルがパンパンになった。
今回の隊はエベレスト5名、ローツェ5名の計10名で、それを支えるシェルパやコック、キャンプスタッフを加えて28人の大所帯。クライアントは日本人2名、インド人5名、カナダ人2名、ポーランド人1名。もう1名の日本人は78才の男性で高度順応も別な場所で行うため、合流はサミットプッシュ直前になるとのこと。
また、ベースキャンプまでは到着したメンバーからいくつかのグループに分かれて進む。先発隊となるのは、私とアメリカ人、ポーランド人の3名で今日はこの3人+リーダー(クライアント側)の顔合わせとなる。
ポーランド出身のヴォイテック54歳はエベレスト2度目の挑戦、アメリカ人のリッキー40歳は来年のエベレスト登山に向けた練習で今回はローツェ側の登山許可でC3を目指す。リーダーはインド人のクンタルで昨年のエベレスト登頂に続いて今年はローツェの登頂を目指す。クンタルは登山学校の校長でビーガンで、ビーガンとして世界最初のエベレスト登頂者となった。 *ビーガンは動物を殺さない思想のためダウンスーツやダウンミトンなどを身につけないので登れなかった。
写真は左からクンタル、ヴォイテック、リシ、リッキー、小生
ネパール料理からピザやパスタが食べられるおしゃれなお店に入る。クンタルは登山の知識が豊富で熱く想いを語るタイプ。ヴォイテックはやや寡黙で優しい人。リッキーは陽気で明るく思ったことはすぐ口に出すタイプ。
前日にリシと話した時は、最初はぎこちないけど夜に酒を飲めば一気に仲良くなるから安心してね!と言われてたんだけどね、
俺しか酒飲んでねーじゃねーか、、、
むしろ、リシも水飲んでるじゃん笑
しかもリッキーが、「自分は登山ファンではなく、人生で一度エベレストに登るという以外には興味ない」と断言しつつ昨年はロブチェピーク、今回はC3、この秋はマナスル、来年の春にエベレストに登るというので、
「なんでだよ、高度順応って2ヶ月ももたないし、それってなんの練習になるの? お金もったいなくない? 登頂可否は天候やルートの影響も大きいんだからそのお金と時間があれば2回挑戦した方が登頂率高くない?」と私が言うと、リシからそういったプロセスを踏むべきと説得をされていたようで、リシと議論になってしまった。
殺伐とした食事会となった(笑)。
クンタルとはあまり話が出来なかった(席が離れていたのと、インド系英語はあまり聞き取れない)。ヴォイテックはあまり英語が出来ず、お互いゆっくり話すので意外とコミュニケーションにストレスがない。ただ、彼が職人の会社社長をしていることまでは分かったが、ドアの鍵を作っているのか、鍵がついたドアを作っているのかだけは最後まで分からなかった。
帰り道は雨が降っていてけっこう寒かった。
さて、明日はいよいよエベレストに向けて出発だ。
飛行機が無事飛びますようにと祈願して眠りにつく。
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