エベレスト登頂記 特集記事-SPECIAL-
2018.06.19
デボチェからディンボチェの道程にはネパールの国花であるシャクナゲが咲き乱れています。3800mから4400mに標高が上がるに連れてシャクナゲの花の色が濃いピンクから白に変わっていく様子はとても面白いです。
デボチェ〜パンボチェまでは1時間半程度で一気に標高を600mほどあげます。空気も薄くなってきているので少しキツイポイント。そろそろ高山病も怖い標高になってきているので、たくさん水を飲みながらゆっくりゆっくり高度を上げていきます。パンボチェの街は丘の上と下に分かれていて、上の方にプジャをしてくれるラマが住んでいたり、地震の後に作られた鎮魂のための大きな仏像があります。下の方には、エベレスト初登頂をした際のイギリス隊で使われていた装備箱や古い酸素ボンベなどが展示されたロッジがあるので、登りと下りで両方の道を通ると良いと思います。パンボチェの先から振り返って見ると上の道と下の道に分かれているのが分かります。
今回はプジャを受けるために上の街を通ります。プジャはもっと大きな儀式かと思っていましたが、ラマ(お坊さん)に祈祷してもらうだけのあっさりした儀式でした。
パンボチェのプジャは小さな家の2階で行われます。部屋に入るとまずは脇に座ってラマの祈祷を聞きます。それから一人一人ラマの前に立ってカタ(登山の無事を祈るスカーフ)を首にかけてもらい、手のひらに茶色い水を注いでもらい、それを口に含んだり髪につけます。最後にお酒や米、お金を捧げて終了です。プジャではお供え物の他、一人500ルピーをお支払いして終了。最後は恒例の記念撮影。お優しいラマで「スマイルプリーズ!」と行ったら笑ってくれました。
パンボチェを上から見下ろすと広大な段々畑が広がっています。どんな作物を栽培しているのか分かりませんが、ここが緑色に染まったらとても雄大な景色になるんでしょうね。
パンボチェ〜ディンボチェは長く緩やかな登りが続き、それからディンボチェとペリチェ(4200m)に分岐する谷を超えていきます。4000mを超えたあたりから大きな植物がなくなり荒廃した大地が広がります。ディンボチェは高度順応に向いた丘が近くにあるので上りに使い、ペリチェは綺麗なロッジが充実していて滞在に向いた街なので下りに使うと良いでしょう。写真中央の丘を右にトラバースしていく道がディンボチェに、左に伸びていく谷がペリチェに繋がります。
この道はそれぞれ自分のペースで歩いていましたが、後ろを振り返ると誰もいない、、、。双眼鏡でメンバーを探しているとヴォイテックが最後方なのに後ろの誰かを待っているように見えたので、走って戻ってピックアップ。するとすぐに軽度の頭痛になってしまいました。4000m付近で走るのは大変危険ですね。
分岐を超えて丘をトラバースすると間も無くディンボチェの街が見えてきます。ディンボチェの街もエベレスト街道では大きめの街で、真ん中に道があってその両側にたくさんのロッジやカフェが並んでいます。また、ディンボチェはアマダブラムのベースキャンプへ続く拠点ともなっていて、アマダブラムがとても近くに見えます。
ディンボチェでは、偶然にも、昨年奈苗と一緒に滞在したホテルに宿泊しました。赤ちゃんだった子供が大きくなっていたのでとても驚きました。ここはカフェが併設していてコロッケバーガーが美味しいです。前回は頼んでから提供までに1時間以上かかってので、今回はララヌードルとチキンバーガーをオーダーしたが、普通に15分くらいで出てきました。
エベレスト街道の町はそれぞれが大きく異なる標高にあるため、その町ごとに特産品があり、それをナムチェなどのバザールで交易するという文化が根付いています。このディンボチェの特産品は「じゃがいも」なので、コロッケやフライドポテトなどを頼むととても美味しいです。
昼食後は洗濯をしてから散歩がてら写真撮影に出かけました。高度順応のためにコンラ方面に4,800mまでハイクアップしたところで霧の晴れ間を狙ってアマダブラムを撮影します。ディンボチェからチョルテン(石が積み重なった登山道の目印)に沿って上っていきます。
4800m付近から見下ろすディンボチェ
霧の晴れ間に見えたアマダブラム。
上から見下ろしたディンボチェの町。
エベレスト街道では、午後になるとほぼ毎日霧が上がってきます。30分くらい滞在しましたが眺望が完全に見えなくり、雪も降ってきたので下山しました。グローブを持っておらず素手でカメラを操作していたので、指が少し紫色になってしまいました。
下山後は洗濯物を取り込み、ロッジでゆっくり読書。夕飯はダルバート&カレーをオーダー。エベレスト街道ではトマトスパゲッティとチキンカレーが鉄板です。ダルバート系を頼むとライスがお替り自由になるので、たまに「ごはんですよ」などを食べるとかなり美味しいです。
夕飯後、空の様子を見に外に出てびっくり。満天の星空に天の川がよく見えたので少しだけ撮影しました。
星の写真はF2.8 16-24mm ISO6400で15-20秒で撮影しています。円周星画も撮影しようとしましたが21時にはロッジの鍵が閉まってしまうので断念。
明日も高度順応のためディンボチェに1日滞在します。
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