エベレスト登頂記 特集記事-SPECIAL-

2018.06.08

【エベレスト登山】Day4 エベレストに向けてクライムオン!

今日こそは。カトマンズからルクラへ

がっかりUターンから一夜明け、今日こそはと意気込み朝5時半に空港に出発します。

そういえば、バタバタしてたけどリッキーは昨日の最初の案内の時点でスムーズに搭乗して、一人でルクラに到着して待っているらしい。ルクラって本当に何もない町だからそれが一番可哀想。むしろカトマンズでピザとビールにありつけた自分の幸せに感謝しよう。

この日は朝一の飛行機で予約が取れていたし、天気も悪くないのでかなりの確率でルクラに飛ぶことが出来そう。空港に着いて30分ほどでチェックインが完了する。搭乗口でもそこまで待たされることもなく同じく30分程で搭乗口を通過することができる。そして例のバス。ここでも30分程待つが特に問題なく搭乗することが出来た。

このルクラへの飛行機なんだけど、カトマンズからルクラまで東に向かって飛行する。ヒマラヤ山脈は北側にあるので、飛行機の進行方向に対して左側の席に座ると山脈がよく見える。ただし、一番前と一番後ろは窓がないため2〜5列目までが良い眺望にありつける。さらに欲を言うと2列目は翼に視界を遮られないのでもっとも眺望の良い席となる。

ということで、みんな左側の席を取るために必死に競争する。ワンポイントアドバイスとしては実は重要なのは搭乗口で一番先に通過してバスの入口に近い席に陣取ること。そしてバスが停車したらすぐに飛行機の入口の下に行って待機すること。若い欧米人がいるとバスから飛行機の入口までの間で抜きにかかるので注意が必要。

まぁ、山脈の眺望が良いといっても、高い山の横を通るわけではなく遠くに雪山が見える程度。むしろ飛行機で真上を飛ぶ方がきれいに見えるくらいなので私はこの競争には参加しません(前回は超必死に競争したけど)。悠々と右側の席に座ります。

飛行機が離陸するとまず面白いのが町の景色。カトマンズは上空から見るとタミヤのブロックで作ったジオラマみたいに見えます。そして10分くらい飛行すると無数の山々に棚田が広がっているのが見えます。この山々には細い道が繋がっていて、ものすごい山奥の奥の奥の奥地にも集落があります。

40分くらいの飛行でルクラに到着します。ルクラにあるテンジン・ヒラリー空港は1953年にエベレストに初登頂し、空港の建設に尽力したエドモント・ヒラリーとテンジン・ノルゲイにちなんで名付けられています。この空港は世界で一番過激な空港と言われていて、滑走路はたったの470mしかなく、山側に向かって傾斜をつけることで止まります。2800mの高度にあるため大気密度も低く、不安定な天候の中で有視界飛行。この15年だけで6回も事故が起きているらしいです。なので着陸した瞬間はいつも拍手が巻き起こります。

いよいよクライムオン!

ルクラでは先に到着していたリッキーをピックアップ。一日しか経ってないのにお互い色々なことがあったので熱い抱擁で再開を祝う。朝食はヌードルスープ。うん、、、相変わらずルクラの飯は期待できない。

朝食後は荷物の整理。家畜を使ってベースキャンプに直接運ぶ荷物と、ポーターに依頼して一緒に登っていく荷物に分類します。この場で急に言われたので、一部持ち歩きたい荷物までベースキャンプに送ってしまい後々困ってしまった。

ポーターの手配が完了すると、いよいよ登山開始。ルクラの街には最初のチェックポイント(国立公園に入るための許可書をチェックするポイント)があります。以前はカトマンズで許可を取得する必要がありましたが、現在(2018年4月)はこの場所で取得できるので、ベースキャンプまでのトレッカーは事前申請の必要はありません。

ルクラを出発すると、たくさんのマニ石がお見送りをしてくれます。登山の無事を祈る文字が刻まれています。

ルクラ(2860m)から2時間半ほどでパクディン(2625m)に到着します。多くのトレッキングツアーではこちらで一泊するケースが多いのですが、私たちは朝早くルクラを出ていて体力的にも余裕があったので、その先にある丸丸を目指します。というのも、翌日の目的地となるナムチェバザールまではパクディンから7時間と結構な行動時間なんですよね。ルクラに早くついて余裕があるようでしたら、少しその先のモンジョーまで足を延ばしておくと楽になるかと思います。

*高度順応を考えてパクディンに宿泊するというツアーもありますが日本で2600mくらいの山で高山病になったことはないので、個人的には2800mくらいまで登り返しても問題ないと思っています。

今年は桜のシーズンが早く、出国前に日本で桜を見ることができてとてもラッキーだったのですが、パクディンから少し歩くと、

なんと、、、エベレスト街道にも桜が!!!

しかも、海外で見るピンクっぽい桜ではなく完全に日本の桜のように見えます! 後から調べたのですが、女性として世界初でエベレストの登頂に成功した田部井純子さんが植樹されたそうです。だいぶ興奮してしまいました。

私たちはモンジョーの少し先にある、ジョサレという街に宿泊したのですが、ここの町には良いロッジはありませんでした。エベレストトレッキングを楽しむためにはロッジ選びがとても重要。多くのロッジの宿泊費は200円くらいなのですが、500円出すと部屋も綺麗でトイレ付きのところがあります。私達が泊まったロッジは、部屋の窓が小さく暗くてジメジメしていました。日当たりが悪いと布団がベトベトで部屋もカビ臭い。また、水が悪い町はトイレが汚かったりします。

もっと高級なところが良い方は20000円以上の高級ロッジもありますが、20000円レベルのコスパは感じられないそうです。

ベースキャンプまでは、2人1部屋となりますが、私はポーランド人のボイテックとルームメイトになりました。前回のエベレストの経験談はとても参考になります。なぜ凍傷になったのか、どういった失敗パターンがあるのか、などなど。。。

エベレスト街道では6時半に夕食を食べて7時には部屋に戻って8時くらいには寝るのですが、元々睡眠時間の少ない私は8時に寝ると1時くらいに目が覚めてしまうので、部屋に戻ってから2〜3時間は英語の勉強をしていました。

さて、明日はいよいよエベレスト街道でもっとも大きな町「ナムチェバザール」に到着します。

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