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ネパール旅行 両替/物価/チップ/言語/治安

ネパール旅行 両替/物価/チップ/言語/治安

目次

① ネパールの概要
② ネパールの通貨&両替
③ ネパールの物価
④ ネパールのチップ
⑤ ネパールの言語

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ネパールの概要

 ネパール連邦民主共和国(ネパールれんぽうみんしゅきょうわこく)、通称ネパールは、西、南、東の三方をインドに、北を中国のチベット自治区に挟まれた場所に位置しており、東西に細長い形をしています。

 日本ではテレビ等でヒマラヤの風景やチベット系の民族が取り上げられることが多いため、雪山の国、寒い国、チベット仏教の国というイメージが強いのですが、実は緯度は沖縄と同程度。首都カトマンズの標高は1,400mほどで、東京よりも暖かく、年間を通じて寒暖差の少ない温暖な気候となっています。第2の都市ポカラは標高が900mで亜熱帯となります。気候としては、冬季少雨気候のため、6〜9月の雨季に雨が集中しており、それ以外の時期は降水量が少なく観光に適した気候と言えます。

 また、ブッダ生誕の国であることから仏教のイメージが強いネパールですが、人口比ではヒンドゥー教が8割以上で仏教徒は1割もいません。宗教の違いによる争いなどは全くなく、ネパールのすべての寺院にはヒンドゥー教と仏教両方の建物や装飾があるなど、ヒンドゥー教と仏教が見事に融合していることもネパール文化の面白さとなっています。

 広さは約14.7万㎢と日本の約40%程度、人口は2,649万人。そして首都カトマンズは面積50㎢に対して100万人を越える人口となっているため、人口密度としては名古屋市と福岡市の間くらいです。日本のような超高層マンションはありませんが、10階建てくらいのホテルは珍しくありません。そして、日本に見られるような町並みからは想像も出来ないほど、建物が密集した街となっています。密集度としては東京や大阪以上と言えるでしょう。

さて、ここからは旅行をする上で抑えておきたい情報を項目別に記載します。

ネパールの通貨・両替

 ネパールの通貨は「ルピー:Rs (=NPR)」。時期によって若干の前後はありますが、おおよそ1Rs=1円となっているため、非常に買い物がしやすいです。
 1Rsと2Rsの「硬貨」は旅行中に目にする機会はほぼありませんので、5Rs、10Rs、50Rs、100Rs、500Rs、1,000Rsの6種類の「紙幣」を使います。5万円を両替すると、紙幣が50枚以上になります。ある程度紙幣がたくさん入るお財布が必要になりますので気をつけましょう。土産物屋ではドルも使えるところもありますが、レートが悪いので、基本的にはルピーに両替をしてから使いましょう。

 両替レートが良いのはタメルにある「メガバンク ネパール」などですが、街中にある両替商と比べても1%も変わらないため、よほど大きな金額でなければ街中の両替所で問題ありません。また、一度に大金を両替する場合は交渉でレートが良くなるため、グループツアーの場合は一緒に両替することをおすすめします。

 ネパールの通貨で最大の注意事項は、“日本で両替が出来ない”ということ。日本で両替してから行くことが出来ないだけでなく、余ったお金を円に戻す際には、“円からルピーに両替した際のレシートを持ってネパールの空港で両替”しなければなりません。非常に面倒臭いので、現地通貨に変える際は必要な金額だけを1~2万円程度ずつこまめに両替して、使い切ることをおすすめします。

ネパールの物価

 ネパールの物価はここ数年で大幅に上がっています。ポーターさんの給与などは10年前と比較して2倍近く上昇しており、ロッジの食事や宿泊料なども、インターネットで見かける記事は安すぎることがあるので注意が必要です。

 とくに、2022年からはロシアによるウクライナ侵攻によって、途上国のエネルギー不足問題が世界中で深刻化しています。ネパールのガソリンも高騰し、200円/L以上と日本よりも高価になりました。ネパールは海に接しておらず、生活必需品の多くのものがインド経由の輸入となっているため、エネルギー価格の高騰に伴って物価も軒並み高騰している状況です。

2022年の春には、エベレスト街道の食費が約20%ほど上昇しました。比較的安いナムチェバザールでさえ、ダルバートが800〜900Rsとなっています。

<カトマンズの物価(2023年)>
レストラン:日本食レストランは比較的安価でかつ丼が650円程度
コーヒー:インスタント80Rs、ドリップ200Rs
ホテル:朝食&バスタブ付きの3つ星ホテルで6000Rs程度
タクシー:空港~タメル(15分~30分)が片道700Rs程度
ビール:500ml缶で300Rsと日本と同程度
ワイン:1瓶2000Rs~と日本よりも高い

<お土産>
・イラムティー:200Rs/100g
・ワイルドハニー:小700Rs、大2,000Rs
・カシミア:薄手ストール1,500Rs~
・Tシャツ:500Rs
・キーホルダー:100Rs

<トレッキング中の物価(ナムチェ)>
水(1L):100~200Rs
クッキー:80Rs
スニッカーズ:100Rs
コーラ/スプライト:150Rs
りんご:150Rs
インスタントラーメン:80Rs
ガスOD缶(大):2,000Rs
トイレットペーパー:150Rs
ホッカイロ(1枚):800Rs(驚)
食事(ダルバート):800Rs
お茶(カップ1杯):100Rs

ネパールのチップ習慣

 ネパールには基本的にはチップ習慣がありません。ですから、レストランやホテルなどでチップを渡す必要はありません。ただし、多くの国から観光客が集まる国なので、観光関連のガイドやポーター、ドライバーにはチップを渡す必要があります。日本では「チップは心付け」と言われることがありますが、少なくともチップ習慣のある国において、チップは心付けではなく「給与制度」であり、働く従業員にとって非常に重要な収入源です。

 シチュエーションに合わせた相場を知った上で、スタッフのサービスやこちらの満足度に応じて渡すのがスマートです。良いサービスに対しては少し上乗せをして、たくさんの笑顔に囲まれながら旅行を楽しみましょう。

チップの相場については下記に整理します。

<ホテル>
・基本的に不要です。荷物を運んでくれたスタッフ(ベルボーイ)にも渡す必要はありませんが、Rs50くらい渡すと喜ばれます。

<レストラン>
・基本的に不要です。サービス料が必要な高級レストランではサービスチャージ10%が含まれているので追加で渡す必要はありません。ただし、サービスが非常に良いと感じた際にはRs100ほどボーイに渡してあげると喜ばれます。

<タクシー>
・基本的に不要です。案内などで非常に満足した際には100Rsくらい渡してあげましょう。

<観光>
・観光ガイド&ドライバー:1日500Rs程度。(半日の場合は300Rs程度で夜までの場合は700Rs程度)

<トレッキングガイド・ポーター>
・トレッキングガイドは1日600Rs程度
・ポーターは400Rs程度
いずれも端数は500Rsか1,000Rs単位で切り上げて渡しましょう。

ネパールの言語

 ネパールの言語はネパール語が公用語となっていますが、多民族国家のため各民族によって使われている言葉は大きく異なります。例えば、「こんにちは」はネパール語で「ナマステ」ですが、シェルパ語では「タシデレ」。「美味しい」はネパール語で「ミトツァ」ですが、シェルパ語では「シンブドゥ」。他にもネパールには125の民族がおり、123の言語が使われています。それらは方言というレベルではなく、日本語と韓国語のような別言語となります。

 学校の授業が英語で行われるほど英語教育が進んでいるため、小さな子供から中高年に至るまで、旅行中に接するほとんどの方は英語が話せます。南米や南欧の旅行よりもコミュニケーションが楽に感じるでしょう。

 また、ネパールでは日本語が話せるガイドさんも多いので、英語が話せない人でも安心して旅行を楽しむことが出来ます。

ネパールの治安

 ネパールはアフリカと紛争地域を除くと、経済的には世界貧困国のひとつと言われますが、治安は欧米諸国と比較してもとても良いです。エジプトやモロッコのように道端で強引に物を売り付けられたりすることもありません。「親切で誠実な人が多い」というのはネパールの大きな魅力です。
 もちろん、海外にいるという自覚を持って最低限の注意を心がけることは必要で、夜に女性一人で出歩いたり、レストランのテーブルに財布や携帯電話を置いたままトイレに行くといった行動は絶対に止めましょう。

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